雪の降る日に、願いを消して
近づいて来た2人があたしと視線を合わせて、昨日と同じように挨拶をかわす。


桜子は自分の机に鞄を投げ出して、駿の机の前で駿と会話を続けている。


こんな光景も何度も見たことがあるハズなのに、違和感がぬぐいきれない。


「鈴おはよ。どうしたのその顔」


登校してきた紗英にそう言われてハッと顔を上げる。


「顔? え?」


そう聞きながら自分の頬に触れる。


昨日泣いたことがバレただろうか?


「なんか険しい顔してるよ?」


そう言われて、あたしは自分の顔の筋肉がこわばっていることに気が付いた。


両手で頬を多い、マッサージする。


「ごめん、ありがとう」


そう言うと、紗英があたしの耳に顔を近づけて来た。
< 41 / 312 >

この作品をシェア

pagetop