雪の降る日に、願いを消して
しばらくすると桜子が保険の先生と担任の先生を連れて戻って来た。


2人ともバタバタと足音を響かせて、走って来る。


倒れている駿を見るなり、保険の先生がその傍らに座り込んで脈などを確認しはじめた。


「一旦保健室へ運びます、道を開けて!」


そう言われて、生徒たちが教室の出口までの道を開ける。


それはまるで駿のための花道のように見えて、あたしは視線を逸らせたのだった。
< 50 / 312 >

この作品をシェア

pagetop