雪の降る日に、願いを消して
萌ちゃんを見ると、さっきまでと打って変わって憐れむような表情をしている。


なにそれ。


そんな顔して、諦めろなんてなんで妹の萌ちゃんに言われなきゃならないの?


「じゃ、警告はしましたから」


萌ちゃんはそう言うと、背を向けて買い物に戻って行った。


あたしはその場に呆然と立ち尽くし、胸に生まれた黒いスライムをなだめる事だけで精いっぱいだった。
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