雪の降る日に、願いを消して
☆☆☆
ロクにご飯も食べずに眠りにつき、朝が来ていた。
今日も学校は休みだ。
それなのに朝から体がずっしりと重たく感じられる。
今日はしっかり眠ったはずなのに、胸の重みはまだ取れていなかった。
スマホを確認すると紗英からのメッセ―ジが沢山届いていた。
どれもあたしを心配してくれる内容のものばかりで、申し訳ない気持ちになる。
それでも今は返事をする気になれなくて、あたしはそのままスマホをテーブルに戻した。
パジャマ姿のままのそのそとリビングへ下りて行くと、両親はすでに出勤した後だった。
キッチンに入ると、朝食のお味噌汁の香りが残っていた。
あたしはガスコンロに火をつけて冷たい指先を火に近づけた。
凍ってしまった指先がジリジリと溶かされていく感じがする。
指先が暖かくなった時、コンロの上にあったお鍋も温まってきてお味噌汁の匂いが辺りに立ち込めて来た。
火を止めてお椀にお味噌汁をすくい、そのままリビングへと移動する。
ソファに座り、そっと口を付けるといつものお母さんの味が口一杯に広がって行く。
何があっても変わらない味に、胸の重みが少しだけ軽くなる気がした。
大丈夫。
あたしの周りはまだなにも変わっていない。
そう思えた。
お味噌汁を半分ほど飲んだところで、あたしは紗英に返事をした。
《昨日は途中で帰ってごめんね。あたしは大丈夫だから!》
そんな文章を送った直後、駿からのメッセージが入ってきてあたしはその場に飛び上がるほど驚いた。
ロクにご飯も食べずに眠りにつき、朝が来ていた。
今日も学校は休みだ。
それなのに朝から体がずっしりと重たく感じられる。
今日はしっかり眠ったはずなのに、胸の重みはまだ取れていなかった。
スマホを確認すると紗英からのメッセ―ジが沢山届いていた。
どれもあたしを心配してくれる内容のものばかりで、申し訳ない気持ちになる。
それでも今は返事をする気になれなくて、あたしはそのままスマホをテーブルに戻した。
パジャマ姿のままのそのそとリビングへ下りて行くと、両親はすでに出勤した後だった。
キッチンに入ると、朝食のお味噌汁の香りが残っていた。
あたしはガスコンロに火をつけて冷たい指先を火に近づけた。
凍ってしまった指先がジリジリと溶かされていく感じがする。
指先が暖かくなった時、コンロの上にあったお鍋も温まってきてお味噌汁の匂いが辺りに立ち込めて来た。
火を止めてお椀にお味噌汁をすくい、そのままリビングへと移動する。
ソファに座り、そっと口を付けるといつものお母さんの味が口一杯に広がって行く。
何があっても変わらない味に、胸の重みが少しだけ軽くなる気がした。
大丈夫。
あたしの周りはまだなにも変わっていない。
そう思えた。
お味噌汁を半分ほど飲んだところで、あたしは紗英に返事をした。
《昨日は途中で帰ってごめんね。あたしは大丈夫だから!》
そんな文章を送った直後、駿からのメッセージが入ってきてあたしはその場に飛び上がるほど驚いた。