雪の降る日に、願いを消して
いやおうなしに画面に表示される駿からのメッセージ。


《昨日は妹の萌が失礼な事を言ったみたいで、ごめんな? だけど、妹の言う通りキミと付き合うことはできない。本当に、ごめん》


そんな文章に体中の体温がスッと抜け落ちていくようだった。


そのままソファに身を沈め、大きく息を吐き出す。


駿が桜子の事しか見ていないことはわかっていた。


この結果だって、わかっていたはずだった。


だけど実際にこうして本人から断られると、どうしても胸がうずいてしまう。


ズキズキとまるで心臓を直接攻撃されているような痛みが走る。


だけど、涙は出なかった。


キツク目を閉じてお味噌汁を飲む。


大丈夫。


あたしは、今日もなにもかわらない。
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