お前のナンバー①。俺だけのオンリー①。(更新停滞)
「それじゃあ次、榛名真由(ハルナ マユ)ちゃん」
担任の先生の口からその名前が出てきた時
俺は反射的に教壇を見つめた
長くはないけどサラサラな髪を嫌味なくなびかせながら
アイツは教壇に立つ
「おめでとう、本当によく頑張ったわね」
先生は俺の時と同じようにアイツに微笑むと、テストを渡した
アイツはニコッと笑って席へ戻る
「………………」
その間、俺はずっとアイツを目で追いつづけた
「わぁー真由ちゃんすごいー両方とも100点だ」
「本当だー!!すごいね真由ちゃん」
アイツの席に群がる女子達の会話が、嫌でも耳に入る
「………………っ」
俺は拳を握りしめた
「それにしてもすごいよな、榛名真由」
佐藤がアイツの方を見ながら口を開く
「テストいつだって100点だし、運動もできるし、性格もいいし、かわいいし、人気あるし…しかも歩と家が近所だし!!羨ましいな~」
そう…アイツ、榛名真由は、全てにおいて1番だった
だから、アイツがいる限り俺は1番になれない
しかも、アイツと俺は、いわゆる幼なじみ
親同士が仲良いらしいし
俺の親はアイツがお気に入りみたいだ
だから、
いつも比べられる
テストでも体育でも図画工作でも
全て比べられる
そして、アイツはいつも勝っていて
俺はいつも負けている
だから、まぁ、結論、
俺はアイツが嫌いだ