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もう、今日はイライラするからしこたま頼んでやる!
飲んでやる!
「……なぁーー。アイツだろ?」
「アイツ?」
佐浦たちに目撃されたことで若干イライラして菜々羽は、聡志をにらみつけた。
けれどもそんな菜々羽に怯えるここともなくお構いなし。
「あ さ ば く ん」
一言、一言区切るように名前を呼ぶ。
「浅葉くん?」
「そうーー菜々羽がさっき家でなんか言いかけた相手。
あの三人の一番後ろにいたすげぇ男前がそうだろ?
いい男だってのもあるけど、もの凄い俺威嚇されたぞ?
家でごちゃごちゃ誤魔化してたけど、オマエアイツと絶対なんかあったろ?
菜々羽のことだから、まーったく気づいてなかっただろうけど。目力パねぇな」
めぢから?
威嚇?
「はい?」
それにしたって、ワタワタした話しに織り交ぜた「浅葉」の名前をちゃんと聴き洩らしてない辺り、
チャラチャラヘラヘラ”シスコンバカ”のフリしてるけど聡志は侮れない。
いやいや。いまはそうじゃなくて--と奥の席へ移動した浅葉たちに視線をやれば、
ちょうど見える席にすわっている浅葉と目が合う。
え?見てる?
なんでええええええ??
「や、やっぱり意味わかんない!!超、超!見られてるんだけど!あの子おかしい!」
「何かあった相手が”彼氏”といるから気になってるんだろ?」