鷭さんと愉快な仲間たち

 「…余計な勘繰りしないでください」

 「でもこの人がキミの恋人の日雀ちゃんでしょう?噂通りの人だぁ」

 嬉しそうに私達の向かいに座った男性に、鷭さんが眉を上げた。

 「…まさか余計な噂を流していないでしょうね?」

 「余計な、とは?ワタシは真実しか語らない。情報は貴重だからね。それも真実となればなおさらだ」

 両手の指を合わせて男性は私に不気味な笑みを浮かべた。

 この二人が友達同士にはとても見えない。

 探り合っているような感じだった。

 「…あの、鷭さん」

 「挨拶が送れたねぇ。ワタシは許丸(きよまる)鷭さんに情報を流す情報屋だよ」

 許丸さんは鷭さんが睨んでいると知っているのだろうか。

 「…あ、えっと」

 「挨拶しなくていいですよ。僕は君を誰にも紹介する気がないですから」

 「そんなこと言わずに。鷭さんワタシはいわゆるビジネスパートナーですか?仲良しですから」

 「…よく言いますね。知っていますよ。君が前回の僕の依頼人に情報を流したことも」

 「あーそれは仕方ないよぉ。あの人の話しっかり聞いてあげればキミもワタシのしたことの納得がいくはずだよぉ」

 つまり情報を売ったってこと?友達なのにそんなことする?

 
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