鷭さんと愉快な仲間たち

 「じょーくじょーく。これだから裏の住人は。洒落もわからなくていやだなぁ」

 「本来なら雄たる君が彼女を見ることすら僕は許せない。だがそれすら妥協して足を運んだのですかた当然でしょう」

 「まぁ、ワタシとて他に目がいかないくらい大切な人はいるからねぇ。気持ちはわかるけども。そこまで言うなら冗談はここまでにして、本題に入りましょうか。知りたいのはやはりクモの居場所かなぁ?」

 クモと言う聞き慣れない言葉でも、鷭さんはそうだと頷いて見せた。

 「居場所を知りたい」

 「クモは忙しい。鷭は会えない」

 緒麿さんの呟きに許丸さんも頷いた。

 「なぜです?今回の依頼はあの方が関わっているのですが」

 「代わりにヘビの居場所を教えましょう」

 クモだのヘビだの聞き慣れない言葉に首を傾げていると、鷭さんが困った様に溜息を吐いた。

 「なぜ僕がたらいまわしにされるのです?何か彼女に会わなければならない理由でも?出来れば僕は彼女と会いたくないのですが」

 まさかまさか、鷭さんから女の話題が出るなんて!それも私の前で!

 突然出たヘビという人は女性らしく、鷭さんは会いたくないと言う。

 でも鷭さんの会いたがっているクモと言う人は忙しくて会えない。

 クモの代わりにヘビと会わせる?

 謎の展開に困っているのは私だけじゃなく、鷭さんも同じ。

 
 

 
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