鷭さんと愉快な仲間たち

 カフェから一時間程歩いた先に小学校が見えた。

 見えたと言っても建物の一部程度だけど。

 小学校まで行くのかと思ったけど途中で止まり、待ち伏せすると蛇穴さんが言った。

 時刻は丁度15時半が少し過ぎた頃。

 学校のチャイムがどこからか聞こえてきた。

 「…それにしても…居場所がつかめない程臥雲は忙しいのですか?」

 家の壁にもたれて鷭さんがしゃがんでいる蛇穴さんに聞いた。

 「誰かさんのおかげでね」

 「僕は知らないと言っているでしょう」

 「どうだか。女まで連れてきてるし」

 「不可抗力です」

 「チャラチャラ浮かれて、バカみたい」

 「そういう君は恋人の噂はききませんね」

 「うるさいおじさんだな」

 「図星ですか」

 本当に仲が悪すぎる二人だ。

 
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