鷭さんと愉快な仲間たち
蛇穴さんは私の左肩に両手を乗せ、耳元で囁いた。
「日雀も、可哀想に」
可哀想…?
狙われているから?軟禁されているから?
自由なんてない生活だった、それは鷭さんが私を軟禁しているから。
だけどその理由が全て私を守る為だなんて…本気では想ってなかった。
仕事に支障が出る程私の存在が彼にとって迷惑をかけているなんて…
-カタン-
俯いた顔を上げたのは、礼ちゃんがコップを机に置く音がしたから。
「…日雀は可哀想なんかじゃない」
「なによ」
「そんなに気に入らないなら関わらなければいいでしょう」
「そ、そうよ。航ちゃん、だめよぉ」
梅芳さんを睨み、蛇穴さんは低い声で言う。
「黙れよできそこないが。礼、何か文句あるわけ」
「航は鷭が羨ましいだけ」
「はぁ?」
「守るモノのある晩が羨ましいんだ」
「あんた」