鷭さんと愉快な仲間たち

 全然理解は出来ないけど、不穏な空気になったのはわかった。

 「あ、あの二人とも」

 「あんたも可哀想に。そのうち鷭は裏の世界に潰されるんだから」

 「…え?」

 「あんなに派手に自分一人で仕事してればそりゃ反感も買うでしょ。随分裏の人間が手を回したみたいだけど返り討ちにしてるし」

 蛇穴さんは私の頭を撫でながら、耳元で囁く。

 「さよならも近いね、ひーがーら」

 「そんな」

 言う間もなく、蛇穴さんはその場を立ち去った。

 困った顔の梅芳さんが何を言っているか、その後はよく覚えていない。

< 34 / 40 >

この作品をシェア

pagetop