鷭さんと愉快な仲間たち
「まさか。僕は日雀さん以外の雌なんかに一ミクロの興味もありません、ええ、それはもう語らせれば長いですが僕がいかに君だけを想っているか」
「そんなことはどうでもいいから。連れていけない訳を言って」
「…君は僕の仕事に対する理解が少し薄すぎるから。とでも言っておきましょうか」
「どこが!こんなに理解ある人いないでしょう!」
「いーえ。わかっていませんね。僕は裏の世界の力を持って表の世界に干渉する掃除人、簡単に言えば人殺しですと何度言ってもあなたは恐怖すら感じていないではないですか」
「そりゃぁ、顔面血まみれで起こされたりは嫌だけど…仕事なんだからしょうがないじゃない」
「わかっていませんね。面倒くさがりな君を部屋に閉じ込めているのは、単に他の雄共の目に触れさせたくないだけとでも本気で思っているのですか?」
「おもってる」
「それもありますが。実の所裏の力で表の世界に干渉しているのですから、僕には敵が多いのですよ。それはもうたくさんね。ですからそんな危険な奴らから君を守れるように外出の際は必ず同伴し、僕のいない時間はこの部屋で君を守っているのですよ」
考えてもみなかった驚きの事実だ。
知らないところで守られていたなんて、単に軟禁されているだけだと思ってた。
働くの面倒だし、生活の全ての面倒をみてくれるからいいかと思っていたけど、この同棲生活にはそんな裏があったなんて。
困った顔で鷭さんは目を細めた。
「君を護りたいんです。出来ればこの世の全てのものから。僕は仕事柄敵が多い、そのせいで君が被害をこうむることなどあってはならないのです」