鷭さんと愉快な仲間たち

　「…そうだ。いっそのこと今回の依頼は断ります」

　「そうじゃなくて！友達に合わせて！私も連れて行って！」

　「…友人に？本気で言っていますか？」

　「本気。会いたい。見たい」

　恐らくまともな人じゃないだろう友達がどんな人かすごく興味がある。

　「…僕の友人ですよ？」

　「だからこそ余計に見てみたい」

　「…だめです」

　「なんで？」

　再び視線を外した鷭さんの手を引き寄せ強く聞けば、すごく小さな声でつぶやいた。

　「…ら」

　「きこえない」

　「…男だから」

　「…それだけ？」

　「大きな問題です。僕は君を僕以外の目に触れさせたくない。たとえ友人でも雄であることには変わりない。そんな輩に紹介し目に触れ声を聴かせるなんて嫌です」

　「いいじゃないそれくらいー！」

　「嫌です」

　「…お願い！仕事の邪魔をしないって約束するから！」

　「…僕の仕事時に、君をおいておける場所もないですし」

　「それはどこかその辺にいるから！」

　「そんな心配なこと出来ません。いつ君が攫われるかもわかったものじゃない」

　「ないないない」

　「…しかたない」

　随分粘った甲斐があった！

　渋々といった感じで、頷いてくれた。

　「その代わり僕の言う事は絶対聞いてくださいね」

　「はーい！」

　こうして私と鷭さんの小旅行が始まった！

　わーい、楽しみぃ！