VS IV Omnibus2 パペット
◎
「ごーはーんー」
聞こえてきた大きな声に、くすっとチナは笑った。
王子様のお目覚めのようだ。
さっそく出来た分から、テーブルの方へと運ぶ。
「おはよう、プァンス。サンド」
最初のお皿は、全部プァンスの前。
「おは…もごっ…んぐっ」
挨拶も途中で、少女は食べ物を口の中に押し込み始めた。
そんな彼女を、じっとサンドが見ている。
表情は変わらないが、愛しい匂いのする横顔だ。
複雑な理由があるのだろうが、信頼と愛と絶望が、チナには見えていた。
アルバがこれを聞いたら、「ちょっと待て、最後のはなんだ!」とツッコんできそうだ。
そう考えると、ますますおかしくなる。
そんなツッコミをされても、そう感じるとしか言いようがなかった。
ただ。
プァンスは、王子様だ。
王子様の仕事は、お姫様を絶望から救い上げて、幸せな結末へ連れて行くこと。
だから、いま絶望のマントがひるがえっていても、チナは全然気にしていなかった。
「ごーはーんー」
聞こえてきた大きな声に、くすっとチナは笑った。
王子様のお目覚めのようだ。
さっそく出来た分から、テーブルの方へと運ぶ。
「おはよう、プァンス。サンド」
最初のお皿は、全部プァンスの前。
「おは…もごっ…んぐっ」
挨拶も途中で、少女は食べ物を口の中に押し込み始めた。
そんな彼女を、じっとサンドが見ている。
表情は変わらないが、愛しい匂いのする横顔だ。
複雑な理由があるのだろうが、信頼と愛と絶望が、チナには見えていた。
アルバがこれを聞いたら、「ちょっと待て、最後のはなんだ!」とツッコんできそうだ。
そう考えると、ますますおかしくなる。
そんなツッコミをされても、そう感じるとしか言いようがなかった。
ただ。
プァンスは、王子様だ。
王子様の仕事は、お姫様を絶望から救い上げて、幸せな結末へ連れて行くこと。
だから、いま絶望のマントがひるがえっていても、チナは全然気にしていなかった。