VS IV Omnibus2 パペット
◎
パペット。
チナは、頭の中でその言葉を繰り返してみた。
しっくりこない。
「変な名前ね…でも、プァンスとサンドでいいんじゃない? 気に入ってくれてるみたいだし」
チナは、首を傾げながら意見を言ってみた。
「そうっ…じゃねぇぇぇ!」
肉を噛みながら、髪をかきむしるアルバ。
食事中に、髪を触るのはちょっと。
言いかけたが、聞いてくれる状態ではないようだ。
うーん。
チナは、困ってしまった。
彼らがパペットであるという事実が、どうにもアルバをいじめている。
「あのプァンスが、あのパペットなんだぞ!」
そう言われた瞬間。
あ。
チナの頭の中に、パズルがまたひとつはめこまれた。
これと、まったく同じやりとりを、したことがあったのだ。
しかも。
アルバと。
チナは嬉しくなった。
この、デ・ジャ・ヴは自分一人のものでも、夢のものでもないと分かったからだ。
「あなた、あなた!」
チナは嬉しくなって、夫に抱きついた。
ガシャンガシャンと、彼の持つ皿の上でフォークが踊って激しい音を立てたが、上手に落とさないでいてくれる。
「わっ、たっ! なんだ、チナ!」
突然の感激の抱擁に、アルバがびっくりしている。
「あなたもよ、アルバ。あなたも、プァンスとサンドを知ってるのよ!」
チナが、彼らに会ったことがあるのではない。
二人で会ったのだ。
「だから、パペットだって言ってんだろ」
しかし。
アルバは、まったく見当はずれなことを、最後まで言い続けたのだった。
パペット。
チナは、頭の中でその言葉を繰り返してみた。
しっくりこない。
「変な名前ね…でも、プァンスとサンドでいいんじゃない? 気に入ってくれてるみたいだし」
チナは、首を傾げながら意見を言ってみた。
「そうっ…じゃねぇぇぇ!」
肉を噛みながら、髪をかきむしるアルバ。
食事中に、髪を触るのはちょっと。
言いかけたが、聞いてくれる状態ではないようだ。
うーん。
チナは、困ってしまった。
彼らがパペットであるという事実が、どうにもアルバをいじめている。
「あのプァンスが、あのパペットなんだぞ!」
そう言われた瞬間。
あ。
チナの頭の中に、パズルがまたひとつはめこまれた。
これと、まったく同じやりとりを、したことがあったのだ。
しかも。
アルバと。
チナは嬉しくなった。
この、デ・ジャ・ヴは自分一人のものでも、夢のものでもないと分かったからだ。
「あなた、あなた!」
チナは嬉しくなって、夫に抱きついた。
ガシャンガシャンと、彼の持つ皿の上でフォークが踊って激しい音を立てたが、上手に落とさないでいてくれる。
「わっ、たっ! なんだ、チナ!」
突然の感激の抱擁に、アルバがびっくりしている。
「あなたもよ、アルバ。あなたも、プァンスとサンドを知ってるのよ!」
チナが、彼らに会ったことがあるのではない。
二人で会ったのだ。
「だから、パペットだって言ってんだろ」
しかし。
アルバは、まったく見当はずれなことを、最後まで言い続けたのだった。