新選組のヴァンパイア
「そりゃ言って無いですから」
「おいおい、またかよ総司」
「そうやって連れてきたのこれで何人目だ?」
「6人目だな」
「斉藤!」
近藤と原田があきれていると、道場の奥から黒い着物の男がでてきて、斉藤と呼ばれた。
「そして誰も総司には勝てなかった」
「そんなにあなた強いの?」
私が問うと、皆が頷く。
「強い。この新選組で1番隊組長を勤めているのだ。当然だろう?」
近藤がにこやかに言う。
それに私は、
「・・・勝負だけなら、してもいい」
「え、ほんとに?」
沖田が嬉しそうに言う。
「ただし」
「ただし?」
「私が勝てば、聞きたいことがあります」
「・・・」
私が勝つこと前提で語った事が気に触ったのか、一気に殺気立つ道場の一同。
「君は総司に勝つ気なのか?」
呆れたように近藤に言われた。