新選組のヴァンパイア
「・・・帰る」

「いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ!」

「とんだ無駄足だった。無理矢理連れて来られて興味本位で勝負を受けたはいいが、他の人間(・・)に比べては強いが、私には到底及ばない。しかも、欲しかった情報は全くないときた」

「ずいぶんな言い草だな」

ドスの効いた声が聞こえて顔をそちらに向けると、土方が私を睨んでいた。

しかもその顔はまさしく鬼で、こいつが鬼の副長と呼ばれているのも納得がいく。

だが、私は引かない。

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