フォーチュン
気を失っているアナスタシアをこれ以上刺激させないよう、その場は侍女のオリエを付き添わせ、4名はそこから一番近い別室のサロンに移動した。
その室内には、ヴィヴィアーヌとアントーノフ、ユーリスと護衛長のコンラッドの他、残りの護衛3名と、バルドー国の官吏もいる。
室内にいる計9名は、一番大きなテーブルに広げられた世界地図を見ながら議論を繰り広げていた。

「まだ国内にいる可能性は」
「事を大きくしたくないので、隠密に探してはいますが・・・」
「二日経っても見つからないのであれば、国内におられる可能性は皆無かと」
「だろうな。幸か不幸か、この二日の間、移動するには申し分ない晴天に恵まれた」

俺たちにとっても、そしてアンジェリークにとっても。
とユーリスは言わなかったが、それはその場にいる全員にも理解できることだった。
< 112 / 318 >

この作品をシェア

pagetop