フォーチュン
Ⅻ
「よろしければこれを御覧になってください」とヴィヴィアーヌに言われたユーリスは、手渡されたアンジェリークの書置きを読んでいた。
『私はある御方と出会いました。ですがその御方は王族の身分を持ってはおりません。それでも私は、すでにその御方に心を捧げました。お母様、お父様、そしてお姉様方。バルドー国に泥を塗るような恥行為をする私のことは、どうかお忘れください。みんな・・・ごめんなさい。バルドー国に永遠の幸があらんことを。アナ、ユーリス様と一生添い遂げることができますよう、心から祈っています。 Angelique(アンジェリーク)』
一度読み終えたユーリスは、その紙を左手ひとつでぐしゃっと握りつぶしてしまった。
『私はある御方と出会いました。ですがその御方は王族の身分を持ってはおりません。それでも私は、すでにその御方に心を捧げました。お母様、お父様、そしてお姉様方。バルドー国に泥を塗るような恥行為をする私のことは、どうかお忘れください。みんな・・・ごめんなさい。バルドー国に永遠の幸があらんことを。アナ、ユーリス様と一生添い遂げることができますよう、心から祈っています。 Angelique(アンジェリーク)』
一度読み終えたユーリスは、その紙を左手ひとつでぐしゃっと握りつぶしてしまった。