フォーチュン
・・・よかった。
場所がすぐ特定できたことに対して、皆は安堵の息をついた。
同時に、このような問いかけに対して、愚者が答えを出したということに、マクシミリアン国王は正直驚いていた。

「でかした、愚者よ」
「恐れながら、国王様」
「なんだ」
「これはワタクシの言葉ではございませぬ。これはタロットが導き出した言葉を皆様がお聞きになったのでございます」
「あ・・・」

まさか、愚者に考えを読まれていたのか?
いや、愚者は「生命の木の化身」と言われる占術師である、ということを忘れておったのは、私のほうか。

マクシミリアンは自嘲するかのような笑みをフッと浮かべた。
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