フォーチュン
「プリウスは、身分証の発行も早いし、移住も比較的すんなりできる」
「それにプリウスで発行された身分証は、プリウス市民として受け入れられたという証として、政府が正当に発行を許可したものだから、ドラークへは正々堂々と行けるはずだよ」

その言葉で、アンジェリークの第一の行き先が決まった。

「いろいろと貴重な情報を教えていただいて、どうもありがとうございました」と礼を言って頭を下げるアンジェリークに、「ねえ」と露店のおねえさんが呼びかける。

「はい」
「今日これからここを出ても、プリウスへは今日中にたどり着けないよ」
「分かっています。今日はバルドーを出国できれば良いと思っていますので」
「だったら、後20分ほど待てる?そしたらうちらの荷馬車に乗せてあげれるけど」
「え。でも・・・」

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