フォーチュン

「おはよう、アン」
「おはようございます、ハンナさん、ヤンさん」
「おはよーアン！」とメルは言いながら、アンジェリークに飛びついてきた。

そんなメルを、アンジェリークはニコニコしながら抱きとめると、「おはよう、メル」と言った。

「ぐっすり眠れた？ソファだと寝心地悪かったでしょ？ごめんね」
「いえ！頭の中は考え事がいっぱいで忙しかったけど、それ以上に体が疲れてくれていたおかげで、すぐに眠ることができて。朝までぐっすり眠ってました」
「そう。ぐっすり眠れたならよかった。今から朝ごはんの準備するから、それまでメルの相手しててくれる？」
「はい」
「すぐ終わるからー」とハンナは言いながら、ヤンと一緒にすでにキッチンで仕度を始めている。

仲良くキッチンに立っている二人を、アンジェリークは羨望の眼差しでしばしの間見た後、メルが学校へ持って行くものを、メルと一緒に揃えた。
ちょうどそれが終わった頃、「たべるよー」というハンナの声が聞こえてきたので、アンジェリークとメルは、いそいそとキッチンへ行った。