フォーチュン
アンジェリークは、こんがり焼いたトーストにバターをたっぷりつけると、４等分に切り分けることはせず、ハンナたちがしているように、パクッとかぶりついた。

・・・そういえば、薄く塗ったバターに、時々ブラウンシュガーを上からかけて食べていたら、「何ですか、それは」と母様から言われた事があったっけ。
母様は、何ておぞましいものを食べているのという顔をしていたけど、ほんのり甘くて美味しいのに。
・・・美味しいっていうのは、父様も認めてくれたのよね。

アンジェリークは、またトーストにかぶりついた。

母様や父様からお小言を言われたことが、とても懐かしく感じる。
それすらも、今となっては過去の良い思い出だ。

アンジェリークは、口元にフッと笑みを浮かべると、またトーストをパクッと食べた。
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