フォーチュン
・・・え?
今の声は、ディオドラさん、よね。
大変!ディオドラさんを助けなきゃ!

後先のことを全然考えてなかったアンジェリークは、ただその一心だけで、茂みへと駆けて行った。



「ディオドラさんっ!」と叫びながら、アンジェリークは茂みをかき分けると、男に背後から羽交い絞めにされているディオドラが見えた。
アンジェリークはただ驚愕して、その場に突っ立っていた。

「ば、ばかっ!なんで来るのよ!逃げなさい!」
「うるせえ!おまえら!新たな客人もとっ捕まえろ!」
「へい」

そばにいた男2人が、アンジェリークのほうへ来た。

・・・どうしよう。

「逃げなさい!!早く・・・」とディオドラが叫んでいる途中で、羽交い絞めにしている男が、ディオドラの口を手で塞いだ。
アンジェリークは、咄嗟にもと来た道を駆け出していた。

ごめんなさい。
ディオドラさん、ごめんなさい・・・。
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