フォーチュン
ⅩⅩ
ドラーク王国・ユーリス王子が、アンジェリークの故国であるバルドーから戻ってすぐに、占術師(せんじゅつし)・愚者(フール)にアンジェリークの行方を占術してもらった結果、レアルタ王国にいると特定できた。
しかしそこでは、アンジェリークを見つけることができなかった。
レアルタの近隣諸国も隠密に捜索したが、アンジェリークはいまだに見つかっていない。
バルドーからも、アンジェリークが戻ってきたという吉報は届いていないし、アンジェリークがドラークに入国をした痕跡もない。
「船出をしたか」
「だとしたら厄介だな」
「アンジェリーク皇女が失踪して、もう3週間だぞ」と護衛のオブライアンがつぶやいたとき、ユーリスが立ち上がった。
「あ、王子。どこ行くんですか」と、護衛長のコンラッドが、ユーリスの背中に向かって、わざとのん気な声で聞く。
「街へ行く」
室内にいた護衛と官吏計7名は、ユーリスの低く轟くその声に、はっきり苛立ちを感じた。
皆一瞬焦り、思わずたじろぐ。
あーああ、王子の不機嫌度が日々増して行く。
まあ、気持ちは分からなくもないが。
護衛長のコンラッドは、密かにため息をつくと、ユーリスの護衛をするため椅子から立ち上がり、そっとユーリスの後に続いた。
しかしそこでは、アンジェリークを見つけることができなかった。
レアルタの近隣諸国も隠密に捜索したが、アンジェリークはいまだに見つかっていない。
バルドーからも、アンジェリークが戻ってきたという吉報は届いていないし、アンジェリークがドラークに入国をした痕跡もない。
「船出をしたか」
「だとしたら厄介だな」
「アンジェリーク皇女が失踪して、もう3週間だぞ」と護衛のオブライアンがつぶやいたとき、ユーリスが立ち上がった。
「あ、王子。どこ行くんですか」と、護衛長のコンラッドが、ユーリスの背中に向かって、わざとのん気な声で聞く。
「街へ行く」
室内にいた護衛と官吏計7名は、ユーリスの低く轟くその声に、はっきり苛立ちを感じた。
皆一瞬焦り、思わずたじろぐ。
あーああ、王子の不機嫌度が日々増して行く。
まあ、気持ちは分からなくもないが。
護衛長のコンラッドは、密かにため息をつくと、ユーリスの護衛をするため椅子から立ち上がり、そっとユーリスの後に続いた。