フォーチュン
ユーリスの長く早い足取りで15分ほど歩いたところに、それはあった。
一見、ごく普通の館だが、鮮やかな赤いドアの向こうには、ドラーク国内で一番品が良い娼婦が勢ぞろいしている。
ナタリアは、娼館の女主人(マダム)の名前だ。
「外で待ってろ。10分以内に戻る」
「はっ」
10分か。今回は早いな・・・じゃなくって!
コンラッドはひとり漫才をしながら、時間を潰すことにした。
ユーリスが裏口から入ると、そこにマダム・ナタリアがいた。
紫色のドレスに細い身を包み、赤く塗られた唇に妖艶な笑みを浮かべるマダム・ナタリアは年齢不詳の女だが、少なくともユーリスの母親ほどの年齢、もしくはそれ以上であることは確かだ。
「いらっしゃい、ユーリス様。上へ参りましょうか」
「ああ」
マダム・ナタリアは、かすかにシミが浮いている白く華奢な手を、ユーリスのたくましい腕にそっと添えると、二人は階段を上っていった。
一見、ごく普通の館だが、鮮やかな赤いドアの向こうには、ドラーク国内で一番品が良い娼婦が勢ぞろいしている。
ナタリアは、娼館の女主人(マダム)の名前だ。
「外で待ってろ。10分以内に戻る」
「はっ」
10分か。今回は早いな・・・じゃなくって!
コンラッドはひとり漫才をしながら、時間を潰すことにした。
ユーリスが裏口から入ると、そこにマダム・ナタリアがいた。
紫色のドレスに細い身を包み、赤く塗られた唇に妖艶な笑みを浮かべるマダム・ナタリアは年齢不詳の女だが、少なくともユーリスの母親ほどの年齢、もしくはそれ以上であることは確かだ。
「いらっしゃい、ユーリス様。上へ参りましょうか」
「ああ」
マダム・ナタリアは、かすかにシミが浮いている白く華奢な手を、ユーリスのたくましい腕にそっと添えると、二人は階段を上っていった。