フォーチュン
ユーリスはたまに街へ繰り出したとき、マダム・ナタリアのところへ行くこともある。
もちろん娼婦と交わるためではない。
マダム・ナタリアから街の事情や、貴族たちの動きを聞くためだ。
ユーリスがドラークの王子であることを知っているマダム・ナタリアは、聞かれたことには素直に答えている。
お互い、「持ちつ持たれつ」の関係を保っているわけだ。
そのマダム・ナタリアが、アンジェリークらしき女性が、世界のどこかの娼館に入ったと確認できていない。
ということは、アンジェリークはまだ娼館に売られていないということ。
いまだに行方知れずだが、どこかの男どもに弄ばれていないと分かって、ユーリスは心底ホッとしていた。
「もしそのレディがどこかの娼館へ入ったと分かったら、俺に連絡をしてほしい」
「かしこまりました、ユーリス様」
余計な詮索はしない。
それがマダム・ナタリアのモットーだ。
しかし、ユーリスの表情で、それとなく察しはついた。
もちろん娼婦と交わるためではない。
マダム・ナタリアから街の事情や、貴族たちの動きを聞くためだ。
ユーリスがドラークの王子であることを知っているマダム・ナタリアは、聞かれたことには素直に答えている。
お互い、「持ちつ持たれつ」の関係を保っているわけだ。
そのマダム・ナタリアが、アンジェリークらしき女性が、世界のどこかの娼館に入ったと確認できていない。
ということは、アンジェリークはまだ娼館に売られていないということ。
いまだに行方知れずだが、どこかの男どもに弄ばれていないと分かって、ユーリスは心底ホッとしていた。
「もしそのレディがどこかの娼館へ入ったと分かったら、俺に連絡をしてほしい」
「かしこまりました、ユーリス様」
余計な詮索はしない。
それがマダム・ナタリアのモットーだ。
しかし、ユーリスの表情で、それとなく察しはついた。