フォーチュン
その頃、ドラーク王宮内のとある一室で、占術師・愚者(フール)は、ひとりで占術をしていた。

タロットと呼ばれるカードをシャッフルし、その中から一枚引き出す。
出たカードは、「15・悪魔(ザ・デビル)」の正位置だった。

「・・・悪魔のごとく激しい怒り。ここにもまた、憤怒と色欲に囚われた者がいらっしゃる。ユーリス様・・・」

愚者はそうつぶやきながら、カードを二枚引いた。
出たのは「6・恋人(ザ・ラバーズ)」と、「10・運命の輪(ウィールオブフォーチュン)」。
二枚とも逆位置だ。

「間違った相手に欲をぶつけられても、応えは何も返って来ませぬ」


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