フォーチュン
アンジェリークとイーディスが、プリウス市国を出て4日経ったとき、ドラーク王国にいるユーリス王子に一報が届いた。
「ユーリス様」
「何だ、フレデリック」
官吏のフレデリックは、「失礼いたします」と言うと、不機嫌なユーリスがいる執務室へそっと入った。
「先ほど、グリア国にいる大使より、伝令が届きました」
「・・・グリア?」
書き物をしていたユーリスの手が、ピタッと止まった。
そして青灰色の瞳は、フレデリックの顔を見据える。
「グリアにある小さな宝石商に、換金をするため宝石が持ち込まれたと」
「よくある話じゃないか」
「然様でございます。しかしながらその宝石のひとつ、確かエメラルドのネックレスでしたか。それは、アンジェリーク皇女の御誕生祝いの贈り物として、特別に作らせたデザインと酷似していた模様」
「何?」
「バルドー国の女帝・ヴィヴィアーヌ様と、アントーノフ様には、すでに確認を取っております」
「・・・会議を開く。皆を集めよ」
「かしこまりました」
フレデリックはユーリスに一礼すると、足早に執務室を出た。
「ユーリス様」
「何だ、フレデリック」
官吏のフレデリックは、「失礼いたします」と言うと、不機嫌なユーリスがいる執務室へそっと入った。
「先ほど、グリア国にいる大使より、伝令が届きました」
「・・・グリア?」
書き物をしていたユーリスの手が、ピタッと止まった。
そして青灰色の瞳は、フレデリックの顔を見据える。
「グリアにある小さな宝石商に、換金をするため宝石が持ち込まれたと」
「よくある話じゃないか」
「然様でございます。しかしながらその宝石のひとつ、確かエメラルドのネックレスでしたか。それは、アンジェリーク皇女の御誕生祝いの贈り物として、特別に作らせたデザインと酷似していた模様」
「何?」
「バルドー国の女帝・ヴィヴィアーヌ様と、アントーノフ様には、すでに確認を取っております」
「・・・会議を開く。皆を集めよ」
「かしこまりました」
フレデリックはユーリスに一礼すると、足早に執務室を出た。