フォーチュン
アンジェリークは、プリウス市国で知り合った、母親ほどの年齢のふくよかな女性・イーディスとともに、ドラーク王国へ行くことにした。
イーディスの伯母は、ドラークの北に住んでいる。
そのため二人は、一旦プリウスからレアルタ王国を出て、隣にあるハイゼンブルグ帝国へ行き、そこから出ている船でドラーク入りをした。

正規の身分証を使い、客のひとりとして堂々とふるまうことができる自由。
そして、頼りになる友人とともに旅ができる喜びを、アンジェリークは全身全霊で感じていた。

そのときのアンジェリークは、その喜びを、友人のイーディスと分かち合っていると思っていた。
アンジェリークたちは、ドラーク北西にあるエクリア港に着いた後、小一時間ほど馬車で北上し、無事イーディスの伯母のところへ着いた。

ユーリスたちがエクリア港の入国リストを調べたのは、それから2日後のことだった。
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