フォーチュン
頑丈な自室のドアをバンと開け、ツカツカと歩くユーリスの後ろには、護衛長のコンラッドが、いつの間にか控え歩いていた。
あれ?王子が完全に正装している。
今日は会談や謁見の予定があったか?
それに、王子が今日どこかへお出かけだという知らせは、まだ受けていないが。
というより、出かけるにしては、かなり朝早い時刻だと思う。
遠出?バルドー国へ行くのか?
黒地の真ん中に、黄金の龍が描かれている国旗に合わせた黒い正装姿で、足早に歩くユーリスの逞しい背中を見ながら、コンラッドはあれこれと思案していた。
「出かける」
「あ、やっぱり・・・ていうかどちらへ」
「北。ソーラスの用意をしろ」
「はっ」と手短に返事をしたコンラッドは、ユーリスへ一礼すると、一足先に馬小屋の方へと急ぎ足で歩いていった。
そのままユーリスは歩きながら、「フレデリック!」と官吏を呼ぶ。
「ユーリス様」
「緊急事態により、今から北の娼館へ行くと父上に伝えておけ」
「かしこまりました、ユーリス様。あの・・・」
「何だ」
「本日の執務は」
「全てキャンセルしろ。できないものは父上に放れ」
あれ?王子が完全に正装している。
今日は会談や謁見の予定があったか?
それに、王子が今日どこかへお出かけだという知らせは、まだ受けていないが。
というより、出かけるにしては、かなり朝早い時刻だと思う。
遠出?バルドー国へ行くのか?
黒地の真ん中に、黄金の龍が描かれている国旗に合わせた黒い正装姿で、足早に歩くユーリスの逞しい背中を見ながら、コンラッドはあれこれと思案していた。
「出かける」
「あ、やっぱり・・・ていうかどちらへ」
「北。ソーラスの用意をしろ」
「はっ」と手短に返事をしたコンラッドは、ユーリスへ一礼すると、一足先に馬小屋の方へと急ぎ足で歩いていった。
そのままユーリスは歩きながら、「フレデリック!」と官吏を呼ぶ。
「ユーリス様」
「緊急事態により、今から北の娼館へ行くと父上に伝えておけ」
「かしこまりました、ユーリス様。あの・・・」
「何だ」
「本日の執務は」
「全てキャンセルしろ。できないものは父上に放れ」