フォーチュン
「・・・とのことでございます、国王様」
「ようやく夜が明けたと思った時刻に、いきなり北の娼館へ行くだと?」
「まったく」とつぶやきながら、額に手を当てて嘆いているマクシミリアン国王に、「審判」というしわがれた声が、不意に聞こえた。
国王は、一瞬ビクッと体を強張らせながら、声の元である、占術師(せんじゅつし)・愚者(フール)の姿を見た。
「・・・いつの間にここへ来ておったのだ、愚者よ」という国王の問いかけには答えず、愚者は再び「審判でございます」と言った。
「今は審判の時。ユーリス様は、赤毛の天使を救いに行かれたのでございます」
そう愚者は言うと、「20・審判(ジャッジメント)」の正位置のカードを、マクシミリアン国王に見せた。
「ようやく夜が明けたと思った時刻に、いきなり北の娼館へ行くだと?」
「まったく」とつぶやきながら、額に手を当てて嘆いているマクシミリアン国王に、「審判」というしわがれた声が、不意に聞こえた。
国王は、一瞬ビクッと体を強張らせながら、声の元である、占術師(せんじゅつし)・愚者(フール)の姿を見た。
「・・・いつの間にここへ来ておったのだ、愚者よ」という国王の問いかけには答えず、愚者は再び「審判でございます」と言った。
「今は審判の時。ユーリス様は、赤毛の天使を救いに行かれたのでございます」
そう愚者は言うと、「20・審判(ジャッジメント)」の正位置のカードを、マクシミリアン国王に見せた。