フォーチュン
アンジェリークは自分を励ますように両手を胸元で握りしめると、一歩ずつユーリスの元へ歩いていった。

夢にまで見たコンラッドとの再会が・・・。
コンラッドがユーリス王子・・・?
これが現実だなんて・・・。

自分のすぐ近くまで来て歩みを止めたアンジェリークに、ユーリスは自分の上着を羽織らせた。

「・・・これは・・・?」

上着がずり落ちないよう、胸元で両手をクロスしたアンジェリークは、ユーリスを仰ぎ見た。

「そのドレスはおまえに不似合いすぎる」
「あ・・・はぃ」

自分でもそう思うアンジェリークは、コクンとうなずいた。

「それを着ろ」
「・・はい」
「ボタンは全て留めて肌を露出するな」

そうそう。
そこが一番重要なんだよな、王子にとって・・いや、俺たちにとっても、だよな!
と、護衛の4人は心の中で賛同する。
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