フォーチュン
「俺を愛することが“罪”なのか？」
「あの・・・」
「俺が欲しいと言ったことや、愛してると言ったことは嘘だったのか？俺に全てを捧げてくれたことは偽りだったのか？」
「そんな！嘘偽りではありません！でも貴方にはアナスタシアが・・・姉様も・・・」とアンジェリークが言ってる途中で、ユーリスは額を離し、顔を少し遠ざけた。

そして右手で瞼を揉みながら、「あれは俺の完全な勘違いだった」とつぶやいた。

「・・・え」
「おまえのことをアナスタシア皇女だと思い込んでしまった。大体俺は、アナスタシアが、いや、アナスタシアになりすましたおまえが宴に来ていたことすら知らなかった」

アンジェリークはキョトンとした顔でユーリスを見ながら、今ユーリスが言ったことを頭の中に浸透させるように、パチパチと瞬きを繰り返した。
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