フォーチュン
翌日、ユーリス王子がバルドー国のアンジェリーク皇女と結婚をするというニュースが、世界中に報道された。
ドラーク王国の民は喜び、国中ますます活気づいている。

そんなある日、ユーリスはアンジェリークとともに、ラクロワ王国へ向かった。
もちろん、アンジェリークの姉であるアナスタシア皇女の結婚式に出席するためだ。
二人はこの後、バルドー国へ行くことにしている。

ラクロワ王国側は、世界で一番繁栄しているドラーク王国と、遠目でも繋がりが持てたことに満足していた。
そんな政略的な匂いが少しはあったものの、ウィリアムとアナスタシアが、お互い愛し合っている上で結婚をしたことを見届けることができたアンジェリークは、心から二人を祝福した。

招待された他国の王女たちや、ラクロワの王族のレディたちは、皆容姿端麗なユーリスに目を奪われ、少しでも近づきたいと媚びを売る眼差しを向けていたが、当のユーリスは、いつものように完全無視。
そしていつもと違うのは、ユーリスが見ていたのは、アンジェリーク唯一人だったということだろう。
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