フォーチュン
「アン」
「はい?」
「おまえもアナが着ていたようなドレスが良いか?」
「うーん・・・そうですねぇ、私の場合は、もう少しベージュがかっているほうが似合うかもしれません」
「いや、おまえの場合は、生まれたままの姿が一番似合う」

一生懸命考えて、真剣に答えたアンジェリークの耳元で、ユーリスはそう囁く。
途端にアンジェリークの顔が真っ赤になった。

「ちょ・・ユーリスッ!」
「やはりその姿は俺にしか見せてはならん」
「当たり前ですっ」
「あぁ恥ずかしい」と言いながら手で顔を仰ぐアンジェリークに、ユーリスはそっとキスをした。

その光景を見せつけられたレディたちは、落胆の溜息をつくしか術はなかった。

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