フォーチュン
二人がキスしている最中も、花火はドンという音とともに打ち上がる。
それは二人を中心にするように、大きな円と鮮やかな色と、綺麗な円模様を夜空に描く。
花火の灯りで、二人がキスをしているところがよりハッキリと見えた護衛の者たちは、「え」とか「あ」といった声を上げながら、驚きで固まってしまった。

あぁ王子!ユーリス王子ぃ!!
数時間前に出会ったばかりの女性とそこまで・・・!
さっきも思ったが、身分の差がありすぎるあのお二人に、明るい未来はあるのか・・・?

護衛長のコンラッドは、どうしても憂わずにはいられずに、深いため息をひとつ、ついた。
< 54 / 318 >

この作品をシェア

pagetop