フォーチュン
「バルドー国・・・アナスタシア皇女・・・少しばかり波を打った明るい茶色の髪、そしてすみれ色の瞳。確か常にお顔の大部分が扇子に覆われておいででしたのて、お顔に関しては、それ以上の特徴は思い浮かびません。女性(レディ)にしては多少高めの背丈。しかし靴をお脱ぎになれば、恐らくユーリス様の喉元までは届かないのではないかと。淡いクリーム色のドレスは華美過ぎず、特徴的な模様などは施されておらず。ですがさり気なく流行のラインを取り入れていた、と記憶しております。何分、アナスタシア様は、宴の席にそれほど長くは滞在なさらなかったのか、ワタクシもこれくらいのことしか覚えておりませんで・・・」
「それだけ覚えていれば上等だ」

バルドー国のアナスタシア皇女。
そして夏至祭の街中で出会ったアン。
どちらも同じ髪と目の色をしている。
背丈は・・・皇女はどうか知らないが、アンはフレデリックが言ったそれに符号する。
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