フォーチュン
「そうなの。それで?どんなレディだったか覚えてる?」
「えっと・・・ブロンドの髪を縦ロールにしていて、青い瞳で、とてもお上品な感じで・・・」

コンラッドは、そのレディよりももう少し明るいブロンドで、そして瞳の色は灰色がかったブルー・・・。

ハッとしたアンジェリークはギュッと目をつぶると、ブンブン顔を横にふった。

私ったら・・・。
ドラーク王国の夏至祭から1週間経った今日もこの調子だ。
何を考えても、行き着く先はコンラッドにつながっている。
コンラッド・・・。

無意識に自分の唇にそっと触れているアンジェリークを、姉のアナスタシアは怪訝な顔で見た。

「たぶんレアルタ王国のイザベラでしょうね」

姉の声で、アンジェリークはまた現実に引き戻された。
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