フォーチュン
広すぎず狭すぎないアナスタシアの部屋は、午後の日差しが燦々と降り注いでいる。
ユーリスが2週間のあいだに贈った数々の青や紫の花は、部屋のあちこちに飾られ、日の光を気持ち良さそうに浴びている。
その中に佇むアナスタシアは、ユーリスが入ってくると分かった瞬間から、頭を下げて出迎える準備をしていた。
「よ、ようこそ、バルドー国へ」
緊張しているアナスタシアは、つっかえながらも、どうにかそれだけ言うことができた。
・・・・・・違う。
ユーリスの眉間に、グッとしわが寄った。
部屋に入った瞬間から、無言でその場に佇んでいるユーリスを、ヴィヴィアーヌとアントーノフは怪訝な顔で見た。
「ユーリス王子?どうかなさいました・・・」
「頭を上げよ」
今発せられたユーリスの低く轟く声には、その場が凍りつくほどの威厳に加えて怒気が含まれていた、とはっきり感じた女帝と帝は、怪訝な顔を引きつりに変えた。
そしてアナスタシアは、まだ頭を下げたまま、誰が見ても分かるほどビクッと肩を震わせた。
ユーリスが2週間のあいだに贈った数々の青や紫の花は、部屋のあちこちに飾られ、日の光を気持ち良さそうに浴びている。
その中に佇むアナスタシアは、ユーリスが入ってくると分かった瞬間から、頭を下げて出迎える準備をしていた。
「よ、ようこそ、バルドー国へ」
緊張しているアナスタシアは、つっかえながらも、どうにかそれだけ言うことができた。
・・・・・・違う。
ユーリスの眉間に、グッとしわが寄った。
部屋に入った瞬間から、無言でその場に佇んでいるユーリスを、ヴィヴィアーヌとアントーノフは怪訝な顔で見た。
「ユーリス王子?どうかなさいました・・・」
「頭を上げよ」
今発せられたユーリスの低く轟く声には、その場が凍りつくほどの威厳に加えて怒気が含まれていた、とはっきり感じた女帝と帝は、怪訝な顔を引きつりに変えた。
そしてアナスタシアは、まだ頭を下げたまま、誰が見ても分かるほどビクッと肩を震わせた。