私の吸血鬼
「人間じゃ、ない・・・?」

あまりの衝撃にそれ以上なにも言えなかった。

「やっぱりそこ反応になるよな。俺も自分が人間じゃないって知ったときはショックだった」

「伊織も人間じゃないの!?」

さらっと何をいってんの!

「まぁ見せた方が早いな」

すると伊織はおもむろに上半身の服を脱ぎ始めた。

すると、伊織のがっしりとした身体から銀に近い白い毛がはえだし、身体も大きくなりだす。

そして最後には、目の前に一頭の狼が現れた。

「きゃっ」

思わず隣にいた皆に抱きついてしまった。

すると皆もさりげなく手を私の身体に回してくる。

「おい、咲が怖がってるだろ。お前の無神経さにびっくりだよ」

「俺はお前の油断できなさにびっくりだよ」

呆れたように狼は言った。
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