私の吸血鬼
「たく」 

そういって伊織は元の人間の姿に戻って服を着た。

「そういえば咲、ここが何処だかわかるか?」

「ううん」

おもむろに伊織に聞かれて、首を横に振る。

「ここは咲が丘学園。そして皆川市の一部だ」

「皆川市!!?」

聞いたことがある。

確かセレブ層が住む市だったはず。

そして日本海に浮かぶ離島にある。

すると当然、家(ももせけ)からは遠く離れてる訳で・・・。

「どうしてそんなところに。家は?お父さん達は?」

「ここは噂通りの場所じゃない。俺らみたいなのを隔離するための離島だ」
< 32 / 37 >

この作品をシェア

pagetop