私の吸血鬼
「隔離?」

問い返すと伊織は頷いた。

「そう、俺らみたいな人外が普通の人間の中にいたら、こないだみたいなことになるからな」

「あっ」

伊織のとがめるような視線を追って、つい皆を見てしまった。 

「別に人外だって黙ってたのは俺だけじゃないだろう?お前だって咲に黙ってただろ」

「それは俺も悪かったと思ってる。咲が俺の事情を知ってれば、あの時の対応も変わってたよな。ごめん」

「・・・」

「咲?」

「あ、ごめん。ちょっと混乱しちゃってて。えっと伊織はどういう種族なの?」

「人狼だ。まぁどっかの激弱純血様と違ってハーフだけどな」

「なんだよその激弱純血様って」

「まんまだろ?あんな雑魚にやられてたんだから」

「俺が何年血を飲んでなかったと思う?10年だよ?あの時はもう殆ど普通の人間だったんだよ」

「もう!喧嘩はやめてよ」

私の一声で部屋は静かになった
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