私の吸血鬼
「ああ、もう!こんなの無視よ!こっちに行こう」

そう言って私は右の道を進んだ。

暫く歩くと、

「え?何ここ。街?」

目の前に広がったのは、私が住んでいたところよりもずっと都会な街だった。

時間が遅いこともあって店に電気は点いてないけど、大きな通りに店がずらりと並んでいて、今は街灯がショウウィンドウを明るく照らしている。

もはや、街というかタウンって言った方が合いそうな雰囲気だ。

「すごい。初めてこんな所に来た・・・」

「すごいとこだよなぁ。ほんと」

「!?」

街の大きさに感心していると、後ろからいきなり同意の声が聞こえた。
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