私の吸血鬼
お父さんと美名子さんは起きてるから、私が起こすのは他の兄弟達だけでいい。



私は始めに一番起こすのに苦労する双子の部屋に向かった。



「唯、吹、おはよう!!」



「「おはようございません!!」」



声を揃えてそう言うと、二人はそれぞれ布団に潜った。



「・・・」



まぁ、これはいつもの事だしね。


まだ寒いから。


私はキッチンから持ち出してきたそれをそっと二人の布団に仕込む。



「「ひやっ!」」



「二人共、早く起きないとご飯無くなっちゃうよ」



勢いよく起きた二人に笑顔で言う。



「だからってひでぇ!」



「布団が冷たい・・・」



それぞれに不満を漏らす弟達。



そう、さっき私が二人の布団に仕込んだのは保冷剤。



しかも先程冷凍庫から出したて。



酷いと思うことなかれ。



私は二人の布団に仕込んだだけで、本人達の身体に当ててはない。



それに、12歳になった二人に非力な私の力では早くも敵わなくなりつつある。



この二人相手の布団のひっぱり合いは既に諦めたよ。
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