私の吸血鬼
「うあ"ぁぁぁぁぁ」



呆然としていると、すぐに隣の部屋から伊織の悲鳴が上がった。



ああ・・・乙です、伊織にぃ。



多分まだ寝ていたところを双子に奇襲されたんだろう。



双子は伊織がウチに来たときから、何かと伊織にイタズラを仕掛けたりする。



始めは嫌っているのか心配にもなったけど、普段の二人にその様子はないし、杞憂だろう。



多分二人は、私が忙しくてあまり構ってあげられなかったから、今まで寂しかったんだと思う。



その分、新しくできた兄弟に構ってもらえてうれしいんだろう、と私は勝手に解釈してる。



伊織もなんだかんだ言いながらも相手になってくれているし。



じゃれている三人の様子は正直微笑ましい。


そして気のせいかもしれないが、双子が伊織にちょっかいをかけに行くタイミングが、私が伊織に用事があるときに多い気がする。


そんなに警戒しなくても、せっかくできた新しいお兄ちゃんを取ったりしないのにね。


そこまで二人も無茶なことはしないだろうし、伊織を起こす役は二人に任せよう。

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