黒王子と白王子とわたし
放課後
「今日も 春らしい いい天気ですね〜」
「春らしいって?」
「春らしいは 春らしいだよ 」
マネージャーの仕事がひと段落ついて 練習中の部員を見ながら 茉菜と小言を言いあっていた
この場所は特等席だよ
こんなに真剣で キラキラした顔で サッカーボールを追いかける 姿を 間近で見れるんだから
これが見れるならどんな雑用だって出来る
「永瀬 ボール!!!」
いきなり部員に叫ばれて 何かと思えば 前方から ボールが勢いよく 飛んできた
‥‥‥ シュッ
‥‥‥トントントン
「ふう〜危なかった〜 流石の反射神経」
「流石 くるみ 笑」
中学でのテニス部で鍛えらたボールを避ける反射神経は 健在でした 笑
「ごめんな〜 ボールこっちにくれ」
「は〜い」
ボールを部員に向かって 思いっきり蹴ったけど
‥‥‥クルクルクル
一メートルくらいしか飛んでないし なにより
「いったーい」
つま先で蹴ったみたいで つま先に激痛が‥笑
「どうせ 飛ばないんだし 投げろよ ばーか」
愁が棘を吐きながら来た
「たまたま 飛ばんだだけだし」
「はいはい でも 次からは投げてくださ〜い」
鼻で笑って戻っていった
「アハハハハッ」
茉菜がいきなり笑い出した
「何?」
「ほんと あんたたち ってさ いつも突っかかってるよね 笑 佐伯が そんな態度とるの くるみぐらいだよ」
「舐められとるわ〜」
「前から思ってたけど 佐伯はくるみのこと 好きなんじゃない?」
「なわけない」
「そうかな〜 あたしは脈アリだと思うけど」
それは絶対ないね 愁は私をバカにするのが好きなだけだよ きっと