アイ・ラブ・ユーの先で
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☆
仁香さんに借りていた水色のワンピースは、お母さんが丁寧に洗濯し、スチームアイロンをかけてくれたので、最後はお礼の気持ちをこめてわたしがたたんだ。
あとは、どうやって返すか、だ。
場所はわかっているし、直接カフェのほうにおじゃますることも考えたけど、水崎先輩を通さないで勝手にそうするのはなんとなくはばかれる。
いますぐにでも連絡を取りたい相手がスマホを持っていないというのは、いざというとき本当に不便だな。
バイト先や、佐久間先輩の番号は教えてもらったけれど、こちらからいきなり連絡するのもちょっと気まずいし。
次また学校で先輩を見かけたらぜったい声をかけよう、と意気込んで、丸2日。
そんなに都合よくいくはずもなく、ワンピースはいまだ、1年4組のわたしのロッカーのなかで眠ったままだ。
「佳月ちゃーん」
昼休み、結桜と机をくっつけてお弁当を食べているところに、あまり話したことのないクラスメートから名前を呼ばれた。
「うん、なに?」
「佳月ちゃんにお客さん来てるよ。呼んできてーって」
「え、お客さん?」
「なんか、3年生の先輩? 男の人だったけど……」
部活動もしていなければ、地元でもないわたしには、同じ中学の知りあいもいないわけで。
3年生の、男の先輩と言われて、思い浮かぶ顔はひとりしかいなかった。
きっと水崎先輩だ!
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仁香さんに借りていた水色のワンピースは、お母さんが丁寧に洗濯し、スチームアイロンをかけてくれたので、最後はお礼の気持ちをこめてわたしがたたんだ。
あとは、どうやって返すか、だ。
場所はわかっているし、直接カフェのほうにおじゃますることも考えたけど、水崎先輩を通さないで勝手にそうするのはなんとなくはばかれる。
いますぐにでも連絡を取りたい相手がスマホを持っていないというのは、いざというとき本当に不便だな。
バイト先や、佐久間先輩の番号は教えてもらったけれど、こちらからいきなり連絡するのもちょっと気まずいし。
次また学校で先輩を見かけたらぜったい声をかけよう、と意気込んで、丸2日。
そんなに都合よくいくはずもなく、ワンピースはいまだ、1年4組のわたしのロッカーのなかで眠ったままだ。
「佳月ちゃーん」
昼休み、結桜と机をくっつけてお弁当を食べているところに、あまり話したことのないクラスメートから名前を呼ばれた。
「うん、なに?」
「佳月ちゃんにお客さん来てるよ。呼んできてーって」
「え、お客さん?」
「なんか、3年生の先輩? 男の人だったけど……」
部活動もしていなければ、地元でもないわたしには、同じ中学の知りあいもいないわけで。
3年生の、男の先輩と言われて、思い浮かぶ顔はひとりしかいなかった。
きっと水崎先輩だ!