私の血で溺れて 優しく口付けて

ふいに、松明の灯りが消えた。


「.........来る」



薄暗くて人々の表情までは見えないけれど、

誰かが震えた声でそう言った。






「やぁ、ごきげんよう」



耳元で心地良い、低い声。


不思議と私は恐怖を感じなかった。
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